つなろぐ。

京都の大学生、日々を綴る。

『嫌われる勇気』の岸見一郎先生と話して考えたこと

とあるシンポジウムに参加してきました。

f:id:tsunashi:20140610215400p:plain

『嫌われる勇気』著者の岸見一郎先生をはじめ、各方面で活躍されているオトナのみなさんを招いて、生き方について考えてみようって感じでした。

 

「ほほぉ~」と思ったこと

岸見:2006年に心筋梗塞を患い、生死の境をさまよう。そのとき、「何かに所属していたり何かを得たりすることによる幸せには意味が無いこと」を身をもって実感した。命を引き取る瞬間に「生きてて良かったなぁ」と思える、まさにそのことだけが大切。「いま、ここにあること」それこそが幸せである、その事実を知ることが重要。

 

伊藤:起業家支援事業などをやっているが、ライバルはきゃりーぱみゅぱみゅ。彼女のライブチケットの10倍の値段でセミナーをやるならば、彼女の10倍は価値あるものを届けなければならない。そう考えるとどこまでも精進していける。

また、自身も病気を患ったり知人の死を経験したりして、「人生ってそんなに長くないのかも」という想いが心に刻まれた。そのときから、「やりたいことをやり、自分らしく生きる」生き方を徹底的にやっている。

 

松原:学生時代に親の会社が倒産。それまでの暮らしが一変し、何もない状態に。「人生ってこんなにも変わってしまうんだ」という経験をする。その経験から、所有ではなく存在にもとづく幸せを目指す生き方をはじめる。

 

みなさんそれぞれ色んな人生経験をされていてもっと話を聴きたかったんですが、けっこう時間が短かったのでちょっと物足りなかった感がありますね。

 

 

今思うことを岸見先生に聞いてみた 

講演が終わり登壇者の方々と自由に懇談する時間があったので、とりあえず岸見先生にお話を伺うことに。ちゃっかりサインもらっちゃった。

最近気になってたことを先生に伺う。

 

「ワーカホリック(仕事中毒)の人も、見方によってはダンスするように生きているのではないか?その人が "いま、ここ" を充実させていると感じていれば、それでいいのではないか?」

 

ここで、「ダンスするように生きる」というのは、簡単に言えば「"いま、ここ"を踊るように生き、それが充実してさえいればいい」とする生き方のことです。

『嫌われる勇気』を参考に説明を加えると、

人生におけるゴールを定め、逆算して生きるのが「キーネーシス的(動的)な人生」

これに対し、今この瞬間、連続する刹那を踊るように生きていくのが「エネルゲイア的(現実活動的)な人生」と呼べます。

 

 

で、先ほどの問いに対する返答ですが、

まず、ワーカホリックの人は「人生の調和を欠いている」とのことです。仕事が忙しくて家庭にも趣味にも時間が取れない、というのは、仕事を口実にして人生における他の責任を回避しようとしていることの表れである、と。家庭のことも趣味のことも、すべてが人生を構成するピースの欠片であり、それぞれに関心を寄せるべきである。会社が人生のすべてではない、と。

では実際の例をひいてみましょう。年収ウン千万円を稼いで出世しようとする人は、家族と晩御飯を食べている場合じゃありません。逆に、毎日家族と晩御飯を食べようとする人は、出世コースからは遠ざかってしまいがちです。これが現代日本社会の現実です。やはりバランスを取るのはなかなか難しいことのようです。

結局、当人がその生き方で真に充実できているのかどうか、というところに尽きるのではないでしょうか。稼ぎまくってるけど心は満たされてないとか、家族と触れ合えてるけど稼ぎがまったく足りないとか。人生の調和の不均衡を不快に感じるところがあるのなら、そこを解決していくしかないのかなって。

 

岸見先生と話して考えた、僕のやりたいこと

ちなみに岸見先生は、毎日家族と晩御飯を食べる生き方を選択したようです。それが幸せだったからそうしたのだと。しかしながら、今の日本社会ではそうした生き方はあまり主流ではありません。どうしても仕事一辺倒になってしまったり、出産とキャリアを天秤にかけてどちらかを諦めなくてはいけなかったり。

しかし、理想論を語っているだけでは現実は変わらない。実際に行動し、望む生き方を叶えている人は現に存在する。君たちのような若い世代が新しい価値観を世に伝えていってほしい。このような励ましのお言葉も頂きました。

 

ここからは僕自身の話になりますが、僕はそういう、仕事と家庭のどちらかを選ばなきゃいけないような社会の在り方を変えていきたい。

人生における「ワーク」と「ライフ」のバランスを、各個人が主体的にデザインしていける社会。それがこれからの生き方のスタンダードになるようにしていきたい。

 

最近は、「ワーク・ライフバランス(WLB)」とか「ワーク・ライフシナジー」という言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか。仕事・家庭・自分自身につかう時間のバランスを改善していこうという趣旨の考え方です。

ところが、ここで言うWLBとは、単に「仕事と家庭と趣味につかう時間をバランスよく配分しましょう」というだけのことではありません。

実際には、「最も充実した生き方を実現するため、各個人がライフスタイルを主体的にデザインすること」を指しています。

 

例えば、プログラミングが好きで一日中PCをいじいじしていたいSEの人に対して、「ワークライフバランスしましょうね。5時には退社しましょうね。」なんて言うのは、全っ然違う。

その人がプログラミングしたいのなら、思う存分やってもらえばいい。その上で、会社での仕事以外に充実させたいことがあればそれを叶えられるような制度を、社内・社外でつくっていく。

そして、大人がこうした自由な生き方を実現できるようになってくると、その幸せは子どもにも伝わります。大人たちが自分の生き方に誇りを持っていて、幸せを感じながら生きていれば、自ずと子どもたちにも幸せは伝わるでしょう。また、育児や教育により多くの時間を遣えるようになれば、子どもたちの可能性はもっと広がります。最終的にはこのへんまでカバーできたらいいかなってのが、今思うところです。

 

 

最後は長々自分の話になってしまいましたが。

これまで大学生やってきたなかで、上のことを考えるときが一番ワクワクしている。

まだまだ少ない人生経験のなかでたまたま出会ったことだけど、今という時間を注ぐには十分すぎるほど楽しいことだと思う。

とりあえず、本やネットで勉強して知識を身につけるとともに、色んな人に会ってどんどん話をして構想を練り上げていきたい。あとは、文章を書きあげてみたり活動に参加したりしてみて、アウトプットしていくことかな。それが今やりたいこと。

 

岸見先生から頂いたサインには「いま、ここを真剣に生きる」とありました。

まさにその通りだと思います。いま、ここを生きるのみ。

 

お読みいただきありがとうございました。

おしまい